モダンフォーマットはどんな環境?

モダンフォーマットはどんな環境?

ようこそモダン環境へ。
モダンとは、新枠以降の基本セット(第8版~)とエキスパンション(ミラディン~)に加えて、モダン・リーガルに指定された特殊セット(モダンホライゾン1・2)に収録されたカードが使用出来るフォーマットです。ローテーションが存在しない為、スタンダードのように時間の経過で使えなくなるカードもありません。

この言葉だけではモダンで使えるカードは分かっても、実際にはどのような環境となっているのか分からないでしょう。そういった方に向けて、この記事ではモダンというフォーマットのイメージを掴んで頂けるように、大まかな環境の構造を説明していきます。
(この記事は、主にパイオニアより下の環境をプレイした事がない、或いはプレイして日が浅い方に向けたものとなります)

モダンにおける土地事情

MTGにおいて、環境を定義する要素の内、大部分を占めるのが土地事情です。モダンにおいては、フェッチランド1フェッチランド:《溢れかえる岸辺》等の対応する基本地形を持ってくる事が出来る土地の総称。英語の「fetch:取ってくるの意」が語源。とショックランド2ショックランド:神聖なる泉》等の、2つの基本土地タイプを持ち、アンタップして場に出す為には2点のライフを支払う必要のある土地の総称。2点火力の代名詞《ショック》が語源。の組み合わせを多くのデッキが採用しています。これは、モダンに2つの大きな特徴をもたらしています。

  • 多色化の容易さというメリット
  • アンタップインする為には、最大3点のライフが必要となるデメリット

順に見ていきましょう。
メリットとなる多色化の容易さについては文字通りです。フェッチランドは対応する基本土地タイプを持つ土地をデッキから探してくる事が可能であり、これは1枚のフェッチランドから7種類のショックランド及び2種類の基本地形を探し出すことを可能とします。
近年は《ラウグリンのトライオーム》のようなトライオームの登場もあり、多色化の容易さは以前にも増して進んでいます。

デメリットとなるライフの損失は、メリット以上にモダンを象徴する要素と言えます。
1ターン目にフェッチランドからショックランドを探し出し、計3点のライフを支払う。17点スタート等と呼ばれるこの動きは、モダンでは頻繁に見られるものであり、それ故にモダンではライフを攻める行動が他のフォーマットよりも相対的に強力なものとなっています。
環境最高の手札破壊呪文である《思考囲い》を唱えた場合には、15点スタートとなる時もあり、相手がバーン3バーン:《稲妻》や《溶岩の撃ち込み》等に代表される強力な火力呪文を多用し、相手のライフを攻め立てる事に特化したデッキデッキであった場合には、既に負けを感じてしまう程の損失です。

これら、土地事情から成る2つの特徴が、モダンを知る上で最も重要な要素となっています。

強力なクリーチャーと、一歩劣るスペル、そして溢れる除去

今のクリーチャーは本当に強い

近年のMTGの特徴の1つに、クリーチャーが強力になっている事が挙げられます。それに対して、スペル4スペル:主にインスタントとソーサリーを指し示す用語。本来はクリーチャー等もスペル(呪文)であるが、通常は含まれない。は一歩劣る調整がなされている事が多くなっています。
単純にパワー・タフネスが強化されただけでなく、アドバンテージを稼ぐクリーチャーも増えており、対応が遅れればどんどん状況が不利になってしまいます。それ故、クリーチャーを処理し続けるよりはこちらも強力なクリーチャーを展開して対抗する方が有効な場面が増えて来ているのが近頃のモダンに見られる傾向です。

また、モダン制定以降の複数回の禁止改定により、コンボデッキが比較的少なくなっているのも、クリーチャー戦略を後押しする結果となっています。基本に沿ったクリーチャーでの攻撃による勝利条件達成よりも早く、コンボを成立されて負けるという事態がそもそも少なくなっている事に加えて、先のクリーチャーの強化によって多少の妨害行動で時間を稼いでいる内に殴り勝てるゲームも増加傾向にあります。

こうしてクリーチャーでの戦略が強力となった結果、モダンに存在する多くのデッキには比較的多くの除去呪文が採用されています。モダンより更に下、レガシーやヴィンテージと比べた際の除去呪文の多さは明白です。

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群雄割拠のモダン環境、或いは混沌としたモダン環境

モダンは、禁止によって環境を調整していくとはWotCも明言しており、支配的なデッキが存在すれば、いずれはそのデッキの中から禁止カードが指定され、弱体化、或いは環境から姿を消していく事となります。

かつて環境に大きな影響を与えたカードたち

その結果として、モダンには多種多様なデッキが存在しており、モダンを説明する上で欠かせない要素の一つとなっています。これについては、あらゆるデッキに可能性のある事を魅力と捉える事も、或いはメタが定まらず勝利を目指しにくい難点と捉える事も出来ます。少なくとも、競技志向の強いプレイヤーの方にとっては厄介な要素である事は間違いないでしょう。

これに依って、モダンでは押し付ける動きが強い(勝ちやすい)とされています。回答を用意し続けて、時間をかけて勝つ、遅いコントロールのようなデッキが弱いと言い換えても良いかも知れません。

相手に対処して動く為には、常に適切な回答を用意出来なければなりません。モダンには相手の脅威に対処する為の優秀な除去・打ち消し等の手段も数多く用意されています。しかし、そのどれもが、常に有効な手段とはなり得ません。
稲妻》ではタフネス4のクリーチャーは処理出来ませんし、《対抗呪文》は1ターン目の動きには間に合いません。
環境が進むに連れ、コントロールのようなデッキも最適化がなされ、十分に勝利を目指せるポテンシャルがある事は確かですが、それでも苦しい立場である事には変わり無いでしょう。

ゲームを掌握しきった後のPWの力強さも、少し変わってきている・・・?

複雑化、多様化するモダン

かつてのモダンは、スタンダードを経由するカードのみが使用出来るフォーマットでした。これに対して、レガシー等のモダンより下のフォーマットでは、統率者・コンスピラシー等のような特殊なセットに収録されるカードも使用可能となります。それ故、モダンに供給されるカードは、レガシー等に比べれば比較的に大人しいものが多い印象でした。

最近はそうでもなかったかも・・・?

しかし、それもモダンホライゾンの登場により一変します。

モダンホライゾンは、スタンダードを経由せず直接モダン以下にカードを供給する特殊なセットであり、過去に収録されモダン・リーガルで無いカードと、モダン以下の為に作られた全く新しいカードで構成されています。
2019年6月のモダンホライゾン(以下、MH1)、そして2021年6月に発売されたばかりのモダンホライゾン2(以下、MH2)は、モダンにとてつもなく大きな影響を与えています。

MH1に収録された《否定の力》《活性の力》に代表されるピッチスペル5ピッチスペル:マナ以外の手段で唱えられる代替手段を持つ呪文の総称。は、これまでのモダンでは殆ど無かった土地がフルタップの場合でも警戒が必要な状況を作り出し、MH2では更に《孤独》《緻密》等も登場し、ゲームはより一層複雑化しています。

やりすぎたカードもありました

また、MH2に収録されたカードの影響は、MH1の時以上のものです。
MH2には、マナ効率の非常に良いカードが数多く収録され、モダンで使われるカードの低マナ化を推し進めました。

これまでのモダンにおけるミッドレンジ6ミッドレンジ:中マナ域のクリーチャーを中心としたデッキの総称。中速デッキ。が採用する主力のクリーチャーは、《タルモゴイフ》を始めとした2マナ以上のものが主流でした。
しかし、《敏捷なこそ泥、ラガバン》《ドラゴンの怒りの媒介者》の登場により、そのマナ域は一段下がっています。
この赤いクリーチャー2種は、ミッドレンジが求める水準を1マナで達成しており、モダンにおける赤の存在感を高めました。

また、除去についてもその影響は大きいです。
虹色の終焉》は、《流刑への道》をメインボードから追いやる程には採用されています。
早いターンに《流刑への道》をキャストする事は、負けに大きく近づく取りたくない行動の一つでしたが、《虹色の終焉》はそれを解決しています。
また、予想していなかったパーマネントが展開された際にも対応出来る柔軟性の高さもあり、ソーサリースピードである欠点を超えての採用となっているようです。

邪悪な熱気》も注目されています。
昂揚7昂揚:イニストラードを覆う影で登場した能力語。自身の墓地にあるカードにカード・タイプが4種類以上の場合に機能する。達成後は、1マナの《英雄の破滅》と言って差し支えなく、青いコントロールデッキをより活躍し辛くさせています。
精神を刻む者、ジェイス》も《ドミナリアの英雄、テフェリー》も、1マナで対応されていては話にならないですからね。

モダンのすゝめ

モダンは制定されてから10年が経ち、その間にモダンで使用出来るカードの枚数は、制定当時のレガシーを超えるに至りました。この間に、モダンに追加された多くのカードたちによって、或いはカードの禁止によって、モダンは幾度となくその姿を変えてきました。新しく生まれたデッキ、大きくその姿を変えたデッキもあれば、当時の姿を未だに色濃く残すデッキもあります。

モダンのようなローテーションの無いフォーマットにプレイヤーが求める要素の一つに、思い出のカード、デッキを長く使いたいというものがあります。ずっと75枚同じとは行きませんが、少しずつ姿を変え、環境に適応していくことで、やりたい事を貫き続ける事は可能です。

また、モダンでは経験値がものを言うとよく話されます。
群雄割拠・混沌としたモダンにおいては、プレイヤーのデッキ及び環境全体を捉える力の高さが、勝敗に与える影響が他フォーマットに比べて大きいのです。気に入ったカード、デッキをプレイすればプレイした分だけ、成長を感じられる、とてもやりがいのあるフォーマットだと言えます。

もしモダンに少しでもご興味がおありなら、是非一度モダンをプレイしてみる事をオススメします。
モダンの懐の深さは、きっとあなたのやりたい事を実現させてくれるはずです。


脚注一覧

  • 1
    フェッチランド:《溢れかえる岸辺》等の対応する基本地形を持ってくる事が出来る土地の総称。英語の「fetch:取ってくるの意」が語源。
  • 2
    ショックランド:神聖なる泉》等の、2つの基本土地タイプを持ち、アンタップして場に出す為には2点のライフを支払う必要のある土地の総称。2点火力の代名詞《ショック》が語源。
  • 3
    バーン:《稲妻》や《溶岩の撃ち込み》等に代表される強力な火力呪文を多用し、相手のライフを攻め立てる事に特化したデッキ
  • 4
    スペル:主にインスタントとソーサリーを指し示す用語。本来はクリーチャー等もスペル(呪文)であるが、通常は含まれない。
  • 5
    ピッチスペル:マナ以外の手段で唱えられる代替手段を持つ呪文の総称。
  • 6
    ミッドレンジ:中マナ域のクリーチャーを中心としたデッキの総称。中速デッキ。
  • 7
    昂揚:イニストラードを覆う影で登場した能力語。自身の墓地にあるカードにカード・タイプが4種類以上の場合に機能する。

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