《耐え抜くもの、母聖樹》は壊れているのか?

《耐え抜くもの、母聖樹》は壊れているのか?

お久しぶりです、管理人です。更新をサボって休んでいましたが、再開していきます。今更ですが、今年もどうぞよろしくお願いいたします。

さて、近く発売となる「神河:輝ける世界」。日々、収録されるカードが公開されていますが、その中でもひときわ話題となっているのが、今回取り上げる《耐え抜くもの、母聖樹》です。Twitterを中心に、とんでもないカードだとの評価も見受けられますが、その実態はどうなのでしょうか。

《耐え抜くもの、母聖樹》は何ができる?

耐え抜くもの、母聖樹》は伝説の土地であり、戦場での土地としての能力は《》と大差ありません。このカードが問題とされているのは、手札にある時に起動できる能力である「魂力」です。

「魂力」はサイクルとして各色に伝説の土地が用意されていますが、それらの内、緑である《耐え抜くもの、母聖樹》に与えられた能力は《解呪》のような置物破壊に加え、なんと土地まで破壊できるというものです。起動型能力であるため、《対抗呪文》のような一般的な打ち消し呪文にも妨害されないため、その対応力はとても頼もしいものです。

幅広い対応力

モダンのような下環境では、そのカードプールの広さゆえに強烈な能力を持ったエンチャントやアーティファクトが多く、土地についてもミシュラランドをはじめ、マナを出すだけに留まらない様々なものが存在しています。これらを土地の枠で(呪文の枠を割かずに)対処できるというのは、非常にありがたいことです。

ただでさえモダンでは、サイドボードにスペースが足りないと言われていますからね。デメリットとして土地を供給してしまいますが、場に残り続ければそのまま敗北に繋がるパーマネントを処理できるのであれば、安いものでしょう。

このように、幅広く問題のあるパーマネントに睨みを利かせられる《耐え抜くもの、母聖樹》ですが、どうやら問題視されているのは、土地破壊についてのようです。

どうして土地を破壊できると不味いのか

土地を破壊するカードは、既にモダンにも多数存在しています。過去には《溶鉄の雨》や《大爆発の魔道士》、今では《略奪》や《浄化の野火》がよく使われていますね。

しかし、問題とされているのは、これが土地に備えられた能力であるためです。

モダンで大活躍中のプレインズウォーカー、《レンと六番》の強力さは言うまでもないでしょう。フェッチランドと組み合わせることで、毎ターン土地を供給する上に、奥義は勝利に大きく繋がります。ドレッジでよく使われていた《壌土からの生命》もまた、土地の回収という点では強力かつ有名なカードです。

これらと組み合わせることで、相手の土地を破壊し続けられるというのが、どうやら問題となっているようです。実際、《壌土からの生命》などの値段も上がっているのだとか。

土地を破壊できる土地としては、《幽霊街》や《地盤の際》などもありますが、これらは一旦土地としてセットする必要があります。そうすると自身の土地も伸び悩みますが、《耐え抜くもの、母聖樹》はこれに該当しないため、強過ぎると言われているようです。

この動きが果たして本当に不味いのか、具体的に考えてみましょう。

実際のところどうなのか

ここからは、《耐え抜くもの、母聖樹》で相手の土地を破壊するいう行動が何を起こすのかについて、見ていきましょう。

耐え抜くもの、母聖樹》は手札から2マナを支払い、捨てることによってその能力を起動できます。つまりは2マナで相手の土地を破壊する呪文を唱えたようなものです。この際デメリットとして、相手は基本土地タイプを持つ土地をセットできます。この際、土地のセットについてはタップインなどの制約はなく、《神聖なる泉》のようなショックランドをアンタップインさせることも可能です。

そもそもMTGというゲームにおいて、土地≒マナは最も重要な役割を担っています。呪文を唱えるため、今回の《耐え抜くもの、母聖樹》のように能力を起動するため、あらゆる場面でマナが要求されます。

土地破壊という行動が強力であるのは、この最重要であるマナ≒土地を破壊できる、相手の行動を制限できるためです。通常、デッキはある程度の枚数まで土地を置ける前提で、そこから供給されるマナを使い切るように構成されますので、土地破壊によりゲームプランを大きく崩せるわけです。

さて、本筋に戻りますが、今回の《耐え抜くもの、母聖樹》による土地破壊はどうでしょうか。相手のデッキ内に基本土地タイプを持つ土地があるという前提では、土地枚数は変化しません。それどころか、もし相手が既に土地をフルタップさせていたなら、追加で1マナを与える可能性まであります。

1マナ増えたし、使っておくか

自身は2マナを払ったのに、相手の土地が減るどころか、マナについては1マナ増える可能性がある。都合3マナ分の差がつくこの行動を数ターン繰り返せば、どちらが有利となっているかは想像するに難くないでしょう。

土地を破壊できる、いずれは相手の土地がなくなる、組み合わせによって毎ターン行える。これらの話はすべて事実ですが、テンポが重要視されるモダン環境において、あまり現実的な戦略であるとは思えません。

《耐え抜くもの、母聖樹》は弱いのか?

これまでの話の流れでは、《耐え抜くもの、母聖樹》を弱いと書いているように見えますが、決してそんなことはありません。冒頭でも述べたとおり、土地の枠でエンチャント・アーティファクト・土地をおおよそ妨害されずに対処できるというのは非常に魅力的です。緑を含む多くのデッキのにおいて、1~2枚の採用が検討できるでしょう。

土地をサーチできるデッキでは、より有効に活用できるでしょう。トロンなら、《探検の地図》と《森の占術》がありますし、アミュレットタイタンでは《原始のタイタン》から《シミックの成長室》をはじめとするバウンスランドとセットで持ってくることで、その能力を活用できます。これらのデッキに効果的なカードでもあるため、嬉しくも悲しくもあるでしょうが。

4cオムナスの増加に伴い《血染めの月》の数も増えていますし、数こそ減らしているもののトロンも健在です。土地1枚で多くの仕事をこなす《ウルザの物語》や、青白コントロールの《ストーム・ジャイアントの聖堂》など、対処に困りがちな多くのカードに対して、《耐え抜くもの、母聖樹》は回答をもたらします。

これも既にお伝えしたことの繰り返しとなってしまいますが、こうしたゲームに大きく影響を与える、場合によっては敗北に繋がるパーマネントを、たった土地1枚を与えるだけで対処できるのであれば安いものです。死ななきゃ安いというものですね。

耐え抜くもの、母聖樹》は、モダンを破壊してしまうような壊れたカードでは決してなく、その実態は緑を含むデッキが新たに手に入れたユーティリティの1つではないでしょうか。

モダンホライゾン2以降のモダン環境は、強力なカードがこれまで以上に増加していますが、カード1枚の差が重要であるというMTGの原則は未だに揺らいだわけではありません。非常に便利な《耐え抜くもの、母聖樹》ですが、あくまでアドバンテージを失うカードであり、毎ターンこれによる土地破壊を続けるようなプレイを生み出すカードではありません。

以上、今回は話題の《耐え抜くもの、母聖樹》を取り扱いました。字面だけ見れば確かに強そう、壊れていそうと思うことも多いでしょうが、実際に起こる状況を丁寧に確認すれば、より正確にカードを評価できるようになるはずです。少なくとも、必要以上に《壌土からの生命》を買う必要はないのではないでしょうか?と私は感じています。

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