フードパッケージを活用しよう

モダンホライゾン2(以下、MH2)にて登場した《アスモラノマルディカダイスティナカルダカール》。最初のセット:アルファから存在していた彼女は、その名前の長さからカード化が難しく、今回ようやくの登場となりました。その名前の長さだけでも大きなインパクトを与えたこのカードですが、実力の高さも十分以上のものでした。自著《地獄料理書》は設定通り共存関係にあり、今回はこの2枚を中心に取り扱っていきます。

そもそも「食物」とは何か?

フード=食物についての特徴は、以下2点があります。

  • 無色のトークン・アーティファクト、サブタイプは食物である。
  • 2マナとタップ、食べて生け贄で3点のライフを得られる。

エルドレインの王権で初登場したこのシステムは、その世界観に準じたおとぎ話に出てくる食べ物を再現したものです。食物自体は非常にシンプルな、ライフゲインが出来るだけのちっぽけなアーティファクトですが、モダンにおいては過去に強力に運用された実績がありました。

Zan Syed – ウルザフード
SCG Atlanta 2019(Top 8)
– メインボード(60)-
– 土地(19)-
4《冠雪の島
1《冠雪の森
1《繁殖池
1《湿った墓
2《神秘の聖域
4《霧深い雨林
2《溢れかえる岸辺
2《汚染された三角州
2《沸騰する小湖
– クリーチャー(12)-
4《金のガチョウ
4《湖に潜む者、エムリー
4《最高工匠卿、ウルザ
– スペル(29)-
2《金属の叱責
2《発明品の唸り
3《謎めいた命令
4《ミシュラのガラクタ
4《オパールのモックス
3《仕組まれた爆薬
4《アーカムの天測儀
1《上天の呪文爆弾
1《弱者の剣
1《飛行機械の鋳造所
4《王冠泥棒、オーコ
– サイドボード(15)-
3《致命的な一押し
3《減衰球
2《思考囲い
2《湖での水難
1《暗殺者の戦利品
1《墓堀りの檻
1《虚無の呪文爆弾
1《真髄の針
1《罠の橋

食物がアーティファクトである点を《最高工匠卿、ウルザ》と組み合わせる事で最大限活用した、当時を代表するデッキです。《最高工匠卿、ウルザ》が戦場にいる時、食物は3点ゲインの出来る《Mox Sapphire》となります。アーティファクトである点は、《最高工匠卿、ウルザ》が生み出すトークンも大きくする為、相性は抜群です。

なお、このデッキの強力さを説明し切るには《王冠泥棒、オーコ》と《アーカムの天測儀》の話も必要でしょうが、既にどちらも禁止カードなので、ここでは割愛します。

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MH2で食物はどう変化したか?

現在に戻り、MH2では食物ギミックに関係するカードとして新たに《アスモラノマルディカダイスティナカルダカール》と《地獄料理書》が追加されました。《アスモラノマルディカダイスティナカルダカール》は、ディスカードしたターンであれば赤か黒の1マナで唱えられる特殊なクリーチャーです。ETB能力で、食物を生み出せる《地獄料理書》をサーチし、更に食物2枚を生け贄に捧げれば、クリーチャーに6点のダメージを与える事が可能です。《地獄料理書》は、食物の生成に際してディスカードを要求する為、これによって《アスモラノマルディカダイスティナカルダカール》を唱える条件を達成する事も可能な2枚1組となっています。

これら2枚を利用する事で、食物ギミックは、3点のライフゲインに加え、クリーチャー除去能力も持ち合わせる非常に強力なギミックへと進化しました。

フードパッケージを有効活用する

これら2枚のセット:フードパッケージですが、単純に利用してしまってはその力は活かされません。除去能力の面だけで見ても手札2枚でクリーチャーを1体処理していては、勝利はどんどん遠ざかるでしょう。では、どうすれば良いのか?答えは単純で食物を(実質的に)手札を切らずに生成出来れば良いのです。そんな都合の良いカードが・・・

こんなカード覚えてなかったよ

ありました。

楕円競走の無謀者》は、アーティファクトが自身の戦場に出た際に、墓地から手札へ帰って来ます。これを《地獄料理書》のコストに充てれば、見事にほぼノーコストでの食物生成サイクルの完成です。これら3枚の組み合わせにより、モダンにおけるフードパッケージは、非常に強力なボードコントロール能力を備えるギミックへと進化しました。強力なクリーチャーの暴れ回るモダンにおいて、とても魅力的である事は言うまでもないでしょう。

フードパッケージをより扱いやすく

強力なギミックとなったフードパッケージですが、兎にも角にも《アスモラノマルディカダイスティナカルダカール》が戦場に出なければ機能しません。逆に彼女さえ出せれば、《地獄料理書》は彼女がお届けしてくれるので、とりあえずは機能し始めます。その為に、彼女のサポートを行う為、モダンでは様々なカードが使用され、それぞれが結果を残しています。

最も多く使用されているのは《通りの悪霊》です。モダンでは《死の影》デッキでお馴染みのカードですが、サイクリングの起動に際し「このカードを捨てる」事がここでは利用されています。ライフ2点のみとマナが要らないのも好都合ですし、失ったライフはいずれ食物で補填が出来ます。このカードに関しては、フードパッケージを活用するほぼ全てのデッキで使用されています。

骨の破片》もよく見かけるカードです。先の《通りの悪霊》と同じ黒色である為、デッキカラーに統一感を持たせながらディスカード条件を満たしつつ、強力な除去として運用出来ます。《楕円競走の無謀者》をコストに充てれば、《地獄料理書》の設置時、或いは食物生成時に手札に帰ってくる事も見逃せません。

似たようなカードとして、《稲妻の斧》も使用されています。《アスモラノマルディカダイスティナカルダカール》は赤マナでも唱えられますから、選択肢として挙がるのも自然な事でしょう。赤には《敏捷なこそ泥、ラガバン》《稲妻》《高山の月》《ギラプールの霊気格子》といった強力なカードも多く存在しています。因みに、《稲妻の斧》のフレイバーテキストにも彼女が登場しています。

破滅の終焉》は少し珍しいカードですが、《アスモラノマルディカダイスティナカルダカール》をライブラリーから直接呼び出せる強力なスペルです。彼女は点数で見たマナコストが0なので、緑2マナさえ揃えば探し出せるのも魅力的です。緑には、食物を生成する《金のガチョウ》が存在しており、黒や赤だけでは触りづらいパーマネントにも対処し易くなります。

フードパッケージをもっと強く

非常に広いカードプールを持つモダン。ただ《アスモラノマルディカダイスティナカルダカール》を扱うだけでは芸がありません。相性の良いカードたちと組み合わせて、デッキの形へと昇華する必要があります。ここでは、フードパッケージを搭載した、代表的なデッキを2つご紹介します。

LFC – ウルザズキッチン
Magic Online – Modern League – 2021/07/27(5-0)
– メインボード(60)-
– 土地(22)-
4《闇滑りの岸
1《溢れかえる岸辺
3《
1《霧深い雨林
4《汚染された三角州
1《沸騰する小湖
1《
4《ウルザの物語
3《湿った墓
– クリーチャー(22)-
4《アスモラノマルディカダイスティナカルダカール
3《湖に潜む者、エムリー
4《楕円競走の無謀者
4《通りの悪霊
4《思考の監視者
3《最高工匠卿、ウルザ
– スペル(16)-
2《骨の破片
2《金属の叱責
1《上天の呪文爆弾(Aether Spellbomb)》
4《ミシュラのガラクタ
1《真髄の針
1《影槍
1《バネ葉の太鼓
4《地獄料理書
– サイドボード(15)-
1《金属の叱責
2《霊気の疾風
1《夢を引き裂く者、アショク
1《破滅の刃
1《引き裂かれし永劫、エムラクール
2《仕組まれた爆薬
2《致命的な一押し
1《虚無の呪文爆弾
1《ボーラスの工作員、テゼレット
3《思考囲い

最高工匠卿、ウルザ》を組み込んだデッキです。食物の量産=アーティファクトの大量展開が、《最高工匠卿、ウルザ》と相性が良いのは先述の通りです。MH2には、ウルザが引き連れるトークンと同じものを生成出来る《ウルザの物語》が収録されており、こちらも採用されています。

ウルザの物語》の第3章にて《地獄料理書》がサーチ出来る他、巨大化したトークンにトランプルを与える《影槍》等、無駄の無いまとまったリストに仕上がっています。デッキ内の殆どのカードが1マナで唱えられる、驚異的なマナカーブの低さも見逃せません。

rage_hs – キャットオーブン
Magic Online – Modern League – 2021/07/09(5-0)
– メインボード(60)-
– 土地(23)-
4《花盛りの湿地
1《闇孔の小道
2《
2《育成泥炭地
3《草むした墓
1《
1《ヨーグモスの墳墓、アーボーグ
4《ウルザの物語
4《新緑の地下墓地
1《成長の揺り篭、ヤヴィマヤ
– クリーチャー(18)-
4《アスモラノマルディカダイスティナカルダカール
3《大釜の使い魔
4《金のガチョウ
4《楕円競走の無謀者
3《通りの悪霊
– スペル(19)-
4《破滅の終焉
3《イラクサ嚢胞
1《真髄の針
1《影槍
4《地獄料理書
3《魔女のかまど
3《パンくずの道標
– サイドボード(15)-
1《パンくずの道標
2《暗殺者の戦利品
3《致命的な一押し
1《活性の力
1《コジレックの審問
1《漁る軟泥
1《魂標ランタン
3《思考囲い
1《トーモッドの墓所
1《ゴルガリの女王、ヴラスカ

ゴルガリ(黒緑x)カラーで組まれたものは、スタンダードで猛威を振るったキャットオーブンのパッケージも内包しています。《金のガチョウ》によるマナベースの安定化や、《パンくずの道標》でのアドバンテージ獲得等、こちらも非常に洗練されたリストとなっています。ゴルガリカラーはサイドボードの柔軟さも大きな魅力であり、《暗殺者の戦利品》や《ゴルガリの女王、ヴラスカ》によるボードコントロール力の高さはディミーアカラーでは実現出来ないものです。

いつの間にか抜けてた方

なお、ゴルガリタイプは初期の型では《貪るトロールの王》が採用されていましたが、近頃のリストからはカットされています。素出しの難しさや、オーバーキルを嫌っての変更と思われますが、ロマンの面では残念に感じてしまいますね。

フードパッケージを活用しよう

MH2で大幅に強化された、フードパッケージ。MH2のリリース以降、大きな活躍を見せていましたが、近頃は少しばかり鳴りを潜めています。非常に強力なパッケージではありますが、《通りの悪霊》まで含めた16枚がほぼ固定になってしまう為、構築に制約が掛かってしまうのもまた事実です。残りのスロットでどれだけ環境に適応し、最適化を施せるかが、今後のフードデッキにとっての課題と言えるでしょう。まだまだ動き続けているMH2入りのモダン環境、今後のフードデッキの活躍から目が離せません。

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