再び舞い上がる不死鳥:ジェスカイフェニックス

再び舞い上がる不死鳥:ジェスカイフェニックス

過去に猛威を振るった、イゼットフェニックスというデッキがありました。

デッキの中身を軽量のキャントリップ呪文で固め、《氷の中の存在》と《弧光のフェニックス》を高速で展開して相手を圧倒する、イゼット(青赤)の2色でまとめられたアグロデッキです。《信仰無き物あさり》の禁止に伴い、事実上構築不可能となっていましたが、今回《信仰の繕い》が加わった事で、ジェスカイ(青赤白)カラーとなって再びモダン環境に舞い戻りました。

デッキリスト及び概要

Aspiringspike – ジェスカイフェニックス
Modern Challenge #12340205(6th)
– メインボード(60)-
– 土地(17)-
4《溢れかえる岸辺
4《沸騰する小湖
2《尖塔断の運河
3《蒸気孔
1《神聖なる泉
1《聖なる鋳造所
2《
– クリーチャー(8)-
4《弧光のフェニックス
4《デミリッチ
– スペル(35)-
4《血清の幻視
4《考慮
4《思考掃き
4《魔力変
4《信仰無き回収
4《信仰の繕い
4《虹色の終焉
3《はらわた撃ち
4《稲妻
– サイドボード(15)-
3《摩耗 // 損耗
3《狼狽の嵐
2《外科的摘出
2《流刑への道
2《虚空の杯
3《高山の月

イゼットフェニックス当時では採用されていた《氷の中の存在》が抜け、その枠に《デミリッチ》が採用されています。また、《信仰無き物あさり》の抜けた枠に、《信仰の繕い》と《信仰無き回収》が採用されている程度で、基本的な構成はイゼットフェニックスから変わっていません。

ジェスカイカラーとなった事で《虹色の終焉》が採用できているのは、副次的なものとしては非常に大きな利点でしょう。

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採用されている各カードについて

クリーチャー2種

《弧光のフェニックス》

このデッキが成立している理由となるクロックの1枚目。メインボード戦では、基本的に4マナを支払って唱える事はなく、デッキに搭載された大量の軽量呪文を連鎖させる事で、墓地から帰還させます。
※サイドボード後は、墓地対策を見越して素出しをする機会も出てきます。

戦闘の開始時に墓地から戻るため、第一メインフェイズに多く行動する事となります。そのため、軽量な青赤デッキにしては珍しく、打ち消し呪文を積極的に活用できないデッキとなっています。

マナ総量が4であるため、環境で暴れる《虹色の終焉》での対処が難しい事に加え、《流刑への道》の減少もこのデッキにとって追い風です。これは、次に紹介する《デミリッチ》も同様の特性を持っていると言えます。

《デミリッチ》

ターン中に唱えたインスタント・ソーサリーの分だけ唱える青マナが減少します。最高0マナで唱えられる上、追加コストを支払えば墓地からも唱えられます。

攻撃時に墓地からインスタント・ソーサリーを唱えられる能力により、アドバンテージの獲得はもちろん、2体目以降の《デミリッチ》を唱える手助けにもなります。

弧光のフェニックス》を墓地から戻すために第一メインに多く動く必要性はありますが、《デミリッチ》による墓地の呪文再利用にはマナを支払う必要がありますので、マナを使い切るべきかどうかは、その都度判断する必要があります。

キャントリップ・ルーティング呪文

《血清の幻視》

モダンを代表するキャントリップ呪文。その特性上、1ターン目に唱えた際に次以降のターンの行動を安定化させられます。

また、後に紹介する《思考掃き》や《取り繕い》との相性も良く、狙って墓地へ《弧光のフェニックス》と《デミリッチ》を送り込む事を可能とします。

《考慮》

新イニストラードのカードの中でも、特に注目されている1枚。墓地を活用できるデッキでは、《選択》の上位互換と言っても差し支えありません。

目的のカードを探し出す用途はもちろん、デッキトップが《弧光のフェニックス》か《デミリッチ》であれば、墓地に落としてドローする事で実質2ドローにもなり得ます。

《思考掃き》

墓地を肥やす事に特化したキャントリップ呪文。過去のイゼットフェニックスではもちろんの事、現在のモダンでもグリクシスシャドウのようなデッキで活用されています。

デッキ内には、《弧光のフェニックス》《デミリッチ》《信仰の繕い》と、墓地に落ちて嬉しいカードがある程度採用されており、先の《血清の幻視》との組み合わせもある事から、採用しない理由は無いでしょう。

《信仰無き回収》

調整された《信仰無き物あさり》。効果は単純なルーティングで、《弧光のフェニックス》《デミリッチ》を墓地に送る事をサポートします。

反復により次のターンに再度唱える事が可能です。その際にはマナを必要としないため、呪文を唱えた回数を単純に+1できる点が大きな魅力です。相手の行動を見てからエンド時に墓地へ送り込み、返しのターンに仕掛ける柔軟な動きは、過去のイゼットフェニックスでは出来なかったものです。

また、この手のカードにしては珍しく、カードを引く部分は、カードを捨てたか否かに影響されないため、手札を使い切っていればカード1枚分得する事が可能です。地味ながら大事な要素ですので、是非覚えておきましょう。

《信仰の繕い》

このデッキが成立した最大の理由となるこのカード。《信仰無き物あさり》の真の調整版と言えるのは、むしろこちらでしょう。

このカードのために白が足される事となったイゼットフェニックスですが、その見返りはデッキタイプが復活する程度には大きなものです。《信仰無き物あさり》と違いインスタントであるため、ある程度柔軟な動きを可能としてくれます。

また、おまけの2点ゲインもバカになりません。デッキが大量のキャントリップで溢れ、デッキ内のあらゆるカードにアクセスできる特性上、当然このカードに触れる機会も多くなります。加えて、フラッシュバックまで備わっているため、1ゲーム中に10点前後ゲインする事も珍しくありません。

除去呪文

《虹色の終焉》

信仰の繕い》によって足された白を更に正当化させる、強力な除去呪文です。今更このカードの強力さを語る必要はないでしょう。

青赤2色だったイゼットフェニックス時代には無かった、パーマネント対処能力の高さは、ジェスカイフェニックスの持つ魅力の一つです。《デミリッチ》での再利用により、イゼットフェニックスでは考えられなかったレベルで盤面をコントロールしていく事が可能です。

このカードと白いサイドボード要員の存在によって、《安らかなる眠り》のような墓地対策パーマネントへの対処能力が高いレベルで備わっているのも、墓地活用デッキとしては嬉しいポイントとなっています。

《はらわた撃ち》

MTG界の問題児、ファイレクシア・マナによって0マナで唱えられる火力呪文。与えるダメージは1点と最低限ですが、《敏捷なこそ泥、ラガバン》や昂揚前の《ドラゴンの怒りの媒介者》、《発現する浅瀬》等、現環境にはその対象が数多く存在しています。

弧光のフェニックス》《デミリッチ》は、インスタント・ソーサリーを唱えた数を必要とするため、0マナでその回数を+1できるこの呪文は、デッキにも環境にも噛み合った非常に便利な呪文です。

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その他の選択肢

《氷の中の存在 // 目覚めた恐怖》

イゼットフェニックスでは《弧光のフェニックス》と共にメインのクロックとして採用されていたクリーチャーです。

表面の《氷の中の存在》は《敏捷なこそ泥、ラガバン》《稲妻》等を受け止めるタフネスを備え、《目覚めた恐怖》へ変身後には派手なバウンス能力を備え戦場をキレイにしてくれます。変身時のバウンスで《弧光のフェニックス》を手札に戻せば、《信仰の繕い》と組み合わせてアドバンテージを稼げる細かいテクニックも面白いカードです。

今は数を減らしていますが、《呪文滑り》等、一部バウンスされないモダン常連のクリーチャーも存在していますので、そこだけは注意しておきましょう。

《約束の終焉》

イゼットフェニックスにも1~2採用されていました。墓地のインスタントとソーサリーをそれぞれ1枚ずつ再利用できます。

マナ効率の良さもさる事ながら、このカードの最大の利点はこれ1枚で《弧光のフェニックス》の帰還を確定させられる点です。アドバンテージの獲得という観点でも非常に優秀ですが、墓地依存度の上昇に加え、《時を解す者、テフェリー》の前では何もできないのも大きな問題です。

環境を見極めて使いたい1枚です。

《稲妻の斧》

1マナ5点の強力なクリーチャー除去呪文。追加コストに困りにくいデッキの特性上、タフネス4~5が環境に増えれば採用される機会も増えるでしょう。

どちらかと言えばサイドボード要員として優秀なカードですが、現在は《濁浪の執政》や《タルモゴイフ》の処理が難しい場面も多く、少し今の環境には適していないかもしれませんね。

《溶岩の投げ矢》

山を1枚生け贄に捧げることで、フラッシュバックが可能な火力呪文です。スペルカウントの水増しはもちろん、最後のダメ押しや《敏捷なこそ泥、ラガバン》の疾駆への牽制等、なかなか便利な1枚です。

現環境においても、メインボードに2枚前後の採用は十分検討に値するカードでしょう。

総括

白を加えて舞い戻った、イゼットフェニックス改めジェスカイフェニックス。

イゼットフェニックスの面影はそのままに、新カードを迎え入れる事で、以前よりも強力になって帰ってきました。まだまだ生まれたばかりのデッキであり、今後どんどん最適化されていくでしょう。

過去のイゼットフェニックスの活躍から見ても、環境の中心に躍り出る可能性も十分にあり得るでしょうし、今から注目のデッキタイプと言えます。

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